研究内容

研究テーマ1

外部刺激による錯体の構造及び物性変化

温度で色が変わる金属錯体(左)と、色が変化する様子(右)

すべての物質は置かれた環境に最適な構造を取ります。これを利用することで電場、熱、化学物質などを作用させることにより、錯体の構造や性質を変化させることが可能となります。

例えば熱により色が変化する錯体は、目に見えない温度を色の形で可視化することができるセンサーとなりえます。

このようなアイデアのもと、温度、気体、電位など様々な外部刺激に応答する錯体を構築し、その物性変化について研究を行っています。

電気化学的に水素分子を発生させる高効率な錯体触媒の開発

再生可能エネルギーを化学エネルギー
として蓄えるための、酸から水素を
発生させる錯体触媒(D. M. DuBois ら)

地球温暖化や化石燃料の枯渇といった、エネルギー問題の切り札として太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーに注目が集まっています。しかし、これらは発電量が天候に依存することから電力の安定な供給源とは言えません。

このため、再生可能エネルギーで得られた電気エネルギーを、水素分子の形で化学エネルギーとして蓄え、必要に応じて水素から燃料電池で発電する試みが行われております。このためには電気エネルギーから水を分子を発生させる触媒が必要です。

当研究室でも、遷移金属錯体を用いた触媒分子の研究を行っています。