九重分子科学セミナー2018 本文へジャンプ

概要

  • 日時: 2018年7月20日(金) 〜 21日(土)
  • 場所: 九重温泉郷「ホテルやまなみ荘」
  • 共催: 日本分光学会 九州支部
  • 担当: 福岡大学 理学部化学科 物理化学研究室

ニュース
九重分子科学セミナー2018のホームページを公開しました。(2018/5/12)
講演プログラムを公開しました。(2018/7/12)
九重分子科学セミナーは終了いたしました。多くの方々に御参加いただき、誠にありがとうございました。(2018/7/24)

特別講演・招待講演
長谷川 健 先生(京都大学化学研究所分子環境解析化学研究領域)
演題:「フルオラス性の物理化学」
抄録:有機フッ素化合物の代表的な物性の一つに撥水撥油性があり,水と油の両方になじまない特異な性質はフルオラス性と呼ばれる.フルオラス性は実用的に多用される一方で,発現機構は長い間不明だった.フルオラス性のみならず,高融点,低溶解性,低誘電率など,有機フッ素化合物特有の物性は,最近,統一的理解を可能にする階層双極子アレー(SDA)理論により全貌が明らかとなった.本講演では,有機フッ素化合物の物理化学について,最新の理解を述べる.

吉田 紀生 先生(九州大学大学院理学研究院化学部門)
演題:「液体の統計力学理論と量子化学による定量的pKa予測」
抄録:酸解離定数の定量的予測は、計算化学分野における重要なトピックスの一つである。酸解離定数はプロトン移動反応の自由エネルギー差を量子化学計算で求めることで決定する事ができるが、溶液環境の取り込みや、解離プロトンの取り扱いの困難さから定量的な評価は難しい。本講演では溶液内分子の量子化学理論である3D-RISM-SCF法と線形スケーリング法の組み合わせによる定量的pKa予測の取り組みについて紹介する。

成田 貴行 先生(佐賀大学工学系研究科循環物質化学専攻)
演題:「フィードバックシステムを有する高分子材料の自律的運動挙動」
抄録:細胞などの生物系を含めた自律的運動するシステムにはそのフィードバック機構に、ある種のヒステリシスが存在している。ヒステリシスを持ってフィードバックする高分子材料やゲルシステムを構築し、それらの応答挙動への影響について紹介します。