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研究テーマ

X線・中性子散乱による液体の構造とダイナミクスの研究

研究内容

 物理化学は物質の性質や化学反応・変化等を原子・分子の相互作用から明らかにする学問です。当研究室では液体状態の物質を研究しています。化学の世界(実験室、家庭、工場、地球環境、宇宙空間など)ではいたるところに液体(特に水)が見られます。液体(溶液)は気体のように分子間相互作用を無視できず、また、固体(結晶)のように規則的に並んでいないため、液体の性質を物理化学的に明らかにすることはまだ発展途上にあります。
 X線や中性子の波長は原子間距離に相当し、物質の構造や運動を調べるには最適なプローブです。X線や中性子ビームを液体に照射し、その散乱を調べることにより、タンパク質表面の水や細孔材料中に閉じ込められた水、ナノ流体や電池電解液など液体機能性材料のミクロスコピックな性質を調べています。そして、生体における水の役割や液体機能性材料の機能発現のメカニズムを明らかにしていきます。

研究テーマの一例

  • 水と類似した異常性を持つ液体の構造解析
  • メソ細孔材料に閉じ込められたタンパク質の構造
  • ナノ粒子分散液体の熱伝導メカニズム
  • 燃料電池用電解膜中の水和構造
  

研究手法

  • X線散乱・中性子散乱
    SPring-8J-PARCなどの大型施設において高強度のX線や中性子ビーム を利用します)
  • 分光測定・熱測定など
  • 計算化学(MD, EPSRなど)

連絡先

E-mail: kyoshida[at]fukuoka-u.ac.jp